スティーブン孝成

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民法③

AはBに金銭を貸し付け、この貸金債権を担保するためにB所有の土地の上に建っているB所有の建物に抵当権の設定を受けて、その登記を備えた。

 

 

 

 

Aの抵当権が実行された場合、抵当権設定時に建物内に置いていたB所有の家電製品のテレビには抵当権の効力は及ばないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

抵当権の効力は、設定行為に別段の定めがない限り、抵当不動産の附加一体物に及ぶ(民法第370条)。
しかし、テレビは附加一体物には含まれないため、抵当権の効力は及ばない。

 

 

抵当権が及ぶ以下

附加一体物の具体例
建物 付合物 雨戸、入り口の扉、増築部分など
従物 ふすま、障子、畳など
土地 付合物 植木、とりはずしできない庭石など
従物 石灯籠、とりはずしできる庭石など

 

 

 

従物は独立したもの。

 

抵当権の効力は、原則として、抵当権設定当時の従物にもおよぶ。 

 

 

 

抵当権設定登記後にBが同抵当建物をEに賃貸した場合、BのAに対する債務不履行後に生じた賃料について抵当権の効力が及ぶので、抵当権の実行としてAはこの賃料から優先的に弁済を受けることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

抵当権の効力は担保債権に不履行があればその後の抵当不動産の果実に及ぶ(民法第371条)。

 

 

 

 

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抵当権の効力は、原則として、抵当権の設定された土地から生ずる天然果実にもおよぶか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(民法第371条)。したがって、抵当権の効力は、原則的には天然果実におよばない。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aが「もち米」を50キロ買う契約をB米店との間で行い、Bによる引渡しの準備がまだ終わっていない場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

引渡し場所についてA・B間で決めていなかった場合に、BはAが取りに来るまで待っていればよいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

弁済をすべき場所について特約がなければ、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において(持参債務の原則)、それぞれしなければならない(民法第484条)。
そして、「もち米」は種類物であり、ここにいう「その他の弁済」にあたるから、Bは、債権者Aの現在の住所に持参して「もち米」を引き渡さなければならない。
したがって、「BはAが取りに来るまで待っていればよい。」とする本肢は誤りである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もち米」50キロの所有権は、目的物が特定される前でも、特約がなければ、A・B間の売買契約をした時に移転するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

「不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するものと解すべきである。」(最判昭和35年6月24日)
したがって、「もち米」50キロの所有権は、目的物が特定されていない場合、A・B間の売買契約をした時に移転しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消費貸借については、返還時期の合意がないときには、貸主の請求があれば借主は直ちに返還しなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、

 

 

相当の期間を定めて返還の催告をすることができる(民法第591条1項)。

 


したがって、借主は相当の期間内に返還すればよく、「直ちに返還しなければならない。」わけではない。
なお、借主は、返還の催告がなかったとしても、いつでも返還をすることができる(民法第591条2項)。

 

 

 

 

 

 

使用貸借は、賃貸借と同様に借主の死亡によりその効力を失うか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

使用貸借は借主の死亡によりその効力を失うが(民法第599条)、

 

重要‼️

賃貸借は借主の死亡によっても効力は失わず、相続の対象となる❗️

 

 

 

 

 

 

債務不履行の場合は、債権者に過失があれば裁判所はそれを斟酌することができるにとどまるが、不法行為の場合は、被害者に過失があれば裁判所は必ずそれを斟酌しなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、①損害賠償の責任及び②その額を定める(民法第418条)。一方、被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる(民法第722条)。 したがって、本肢は必要的考慮と任意的考慮の説明が逆になっている

 

 

 

被害者に国は優しい。

不法行為→Aボコボコにやられた、Aにも過失ある。

裁判所相手がAにも過失があるって言ってきた時に考慮しよ。

言ってくるまでは知らんぷり。

だってAかわいそうじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

債務不履行の場合は、胎児は損害賠償請求権の主体となることができるが、不法行為の場合は、主体となることができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

権利能力は出生によって始まるものであるため(民法第3条1項)、出生前の胎児の段階では原則として権利能力は認められないが、民法ではその例外として

 

不法行為に基づく損害賠償請求権(民法第721条)

相続(民法第886条)

遺贈(民法第965条)

については、胎児も既に生まれたものとみなされる。したがって、債務不履行不法行為の説明が逆になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

債権者代位権の要件

 

①債権保全の必要性があること

②被保全債権の弁済期が到来していること

③代位の対象の権利が代位されうる権利であること

④代位される者(債務者)が、権利の行使をいまだしていないこと

 

 

 


詐害行為取消権の要件

①被保全債権の存在

②債務者における詐害行為及び詐害の意思のあること

③受益者・転得者が詐害の事実について知っていたこと❗️

 

 

 

 

 

 

 

 

 債権者は、債務者の財産から満足を得られない場合には、債権取得前に債務者が行った贈与契約を詐害行為として取り消して財産を取り戻すことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

 債務者の行為を詐害行為として民法第四二四条を適用するには、その行為が取消権を行使する債権者の債権発生後になされたことが必要である(最判昭和33年2月21日)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エ、債務者が第三者に金銭を贈与したことにより、自己の債権の満足が得られなくなっただけではなく、他の債権者の債権も害されるようになった場合には、取消債権者は自己の債権額を超えていても贈与された金銭の全部につき詐害行為として取り消すことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

債権者取消権の目的物が金銭のような可分な物であるような場合は、自己の債権を越えて、取り消すことはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

債権者は自己の債権について、詐害行為として取り消し、受益者から取り戻した財産から他の債権者に優先して弁済を受けることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 債権者取消権による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずるもので(民法第425条)、原則として優先して弁済を受けることはできない。もっとも、実際には金銭における債権者取消権では行使した債権者に直接返還することが認められているため、自己の有する債権と債務者へ返還する債務を相殺するとによって事実上の優先弁済を受けることができる(最判昭和37年10月9日)

 

 

 

 

 

 

 

 債権者取消権は、取消しの対象となる法律行為があったときから2年間行使しないときは、時効により消滅するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

債権者取消権は、債権者が取消しの「原因を知った時から」2年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする(民法第426条)

 

 

 

 

 

 

 

詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産保全する目的において行使されるべき権利であるから、債権者が複数存在するときは、取消債権者は、総債権者の総債権額のうち自己が配当により弁済を受けるべき割合額でのみ取り消すことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

前半の「詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産保全する目的において行使されるべき権利であるから」とする点は妥当であるが(民法第425条)、後半が妥当ではない。
詐害行為取消権(民法第424条、426条)は、詐害行為によって逸出した財産を取り戻し、債権者の共同担保を保全することを目的とするものであるから、それに必要な範囲において行使すれば足りる。
そして、

 

 

 

この必要な範囲とは、

 

原則として取消債権者の債権額を限度として❗️

 

(大判大正8年2月3日)、他に多くの債権者がいる場合でも、それを考慮には入れないとされている(大判大正9年12月24日)。

 

 


したがって、本肢の「自己が配当により弁済を受けるべき割合額でのみ取り消すことができる」とする記述は妥当ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相続放棄は、責任財産を積極的に減少させる行為ではなく、消極的にその増加を妨げる行為にすぎず、また、相続放棄は、身分行為であるから、他人の意思によって強制されるべきではないので、詐害行為取消権行使の対象とならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

「相続の放棄のような身分行為については、民法424条の詐害行為取消権行使の対象とならないと解するのが相当である。なんとなれば、右取消権行使の対象となる行為は、積極的に債務者の財産を減少させる行為であることを要し、消極的にその増加を妨げるにすぎないものを包含しないものと解するところ、相続の放棄は、相続人の意思からいつても、また法律上の効果からいっても、これを既得財産を積極的に減少させる行為というよりはむしろ消極的にその増加を妨げる行為にすぎないとみるのが、妥当である。
また、相続の放棄のような身分行為については、他人の意思によってこれを強制すべきでないと解するところ、もし相続の放棄を詐害行為として取り消しうるものとすれば、相続人に対し相続の承認を強制することと同じ結果となり、その不当であることは明らかである。」(最判昭和49年9月20日)。

 

 

 

 

 

 

 

遺産分割協議は、共同相続人の間で相続財産の帰属を確定させる行為であるが、相続人の意思を尊重すべき身分行為であり、詐害行為取消権の対象となる財産権を目的とする法律行為にはあたらないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る(最判平成11年6月11日)。
なぜならば、遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができるからである。
したがって、遺産分割協議は詐害行為取消権の対象とならないとする本肢は妥当でない。

 

 

 

 

 

 

 

 

詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産保全する目的において行使されるべき権利であるから、債権者が複数存在するときは、取消債権者は、総債権者の総債権額のうち自己が配当により弁済を受けるべき割合額でのみ取り消すことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✖️

前半の「詐害行為取消権は、総ての債権者の利益のために債務者の責任財産保全する目的において行使されるべき権利であるから」とする点は妥当であるが(民法第425条)、後半が妥当ではない。
詐害行為取消権(民法第424条、426条)は、詐害行為によって逸出した財産を取り戻し、債権者の共同担保を保全することを目的とするものであるから、それに必要な範囲において行使すれば足りる。
そして、

 

 

この必要な範囲とは、原則として取消債権者の債権額を限度として(大判大正8年2月3日)

 

 

 

 

他に多くの債権者がいる場合でも、それを考慮には入れないとされている(大判大正9年12月24日)。
したがって、本肢の「自己が配当により弁済を受けるべき割合額でのみ取り消すことができる」とする記述は妥当ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 併存的(重畳的)債務引受は、債務者(原債務者)の意思に反しても、債権者と引受人のみの契約でなすことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

 

併存的債務引受ができる場面であるが、以下の3つが考えられる。

1 原債務者、新債務者、債権者の三面契約(契約自由の原則により、当然に可)
2 新債務者、債権者間の契約による併存的債務引受けは、原債務者の意思に反しても可
(併存的債務引受の効果は、原債務者と新債務者の連帯債務関係になるだけであり、債務引受後も、原債務者は債務を弁済することができるため)
3 原債務者、新債務者間の契約による併存的債務引受けは、第三者のためにする契約として成立し、債権者の受益の意思表示によって、債権者は新債務者に対する権利を取得する
したがって、併存的(重畳的)債務引受は、債務者(原債務者)の意思に反しても、債権者と引受人(新債務者)のみの契約でなすことができるとする本肢は妥当である。

民法②

AがBとの間の賃貸借契約に基づいて乙土地を通行している場合において、その後に甲土地がCに売却されたときは、これによりCも当然に乙土地を通行することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない(民法612条1項)。
本問においては、乙土地を通行することが賃貸借契約の内容であるから、その賃借人(A)たる地位が、甲土地をCに売却すれば、Cに移転すると考えられるが、賃貸人(B)の承諾が伺えない本肢においては、当然にCが乙土地を通行するとはいえない。
また、考え方としては、乙地を通行することができる権利はAに残るとも考えられるが、Aにとっては意味のない賃借権ということになる。
いずれにしても、当然にCが乙土地を通行するとはいえない。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aが地役権に基づいて乙土地の一部を継続的に通路として使用している場合において、その後にCが通路の存在を認識しながら、または認識可能であるにもかかわらず認識しないでBから乙土地を承継取得したときは、Cは背信的悪意者にあたるので、Aの地役権設定登記がなされていなくても、AはCに対して通行地役権を主張することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️背信的悪意者

 

 

通行地役権(通行を目的とする地役権)の承役地が譲渡された場合において、譲渡の時に、右承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、譲受人は、通行地役権が設定されていることを知らなかったとしても、特段の事情がない限り、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらないと解するのが相当である」(最判平成10年2月13日)。
なお、本判例は「このように解するのは、右の譲受人がいわゆる背信的悪意者であることを理由とするものではないから、右の譲受人が承役地を譲り受けた時に地役権の設定されていることを知っていたことを要するものではない」とも述べている。

 

 

 

 

 

 

Aが自己所有の事務機器甲(以下、「甲」という。)をBに売却する旨の売買契約(以下、「本件売買契約」という。)が締結されたが、BはAに対して売買代金を支払わないうちに甲をCに転売してしまった

 

 

 

 

Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、CがAに対して所有権に基づいてその引渡しを求めたとき、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、同時履行の抗弁権を行使してこれを拒むことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる(民法第176条)のであるから、BC間に売買契約がある本問ではCが甲の所有者である。
また、「同時履行の抗弁権(民法第533条)」は債権として構成され、双務契約の効力として認められるから、契約当事者及び債権債務の譲受人に対してのみに主張することができるものであって、第三者に主張することはできない。
したがって、本肢では、CA間には契約関係がないのであるから、Aは、Cからの引渡請求に対して同時履行の抗弁権を行使してこれを拒むことはできない。

 

 

 

 

 

 

 

Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、CがAに対して所有権に基づいてその引渡しを求めたとき、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、留置権を行使してこれを拒むことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

Cが甲の所有者であるから、本来であればCはAに対して所有権に基づきその引渡し請求ができる。
しかし、留置権民法第295条以下)は、担保物権として構成され、第三者を含めてすべての人に主張することができる。
したがって、AはBからの売買代金の支払いを受けていないときは、留置権を行使してこれを拒むことができるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aは、Bから建物(以下、本件建物という)を賃借し、Aは、その建物内に電気製品(以下、本件動産という)等を備え付けている。

 

 ⭐️

Aが、Bの承諾を得て、本件建物をEに転貸した場合に、Bの先取特権は、Eの備え付けた動産には及ばないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

賃貸人の先取特権は、転貸の場合には転借人の動産にも及ぶ(民法第314条)。
したがって、本件建物をAがEに適法に転貸した場合、Bの先取特権は、Eの備え付けた動産に及ぶ。

 

警察24時で税務署がテレビ持っていかれる時、これ友達に借りてるものやから、

っていうのもダメ。 

 

 

 

 

 

動産売買の先取特権に基づく物上代位につき、買主がその動産を用いて第三者のために請負工事を行った場合であっても、当該動産の請負代金全体に占める価格の割合や請負人(買主)の仕事内容に照らして、請負代金債権の全部または一部をもって転売代金債権と同視するに足りる特段の事情が認められるときは、動産の売主はその請負代金債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

本肢は、物上代位の「対象」に関する問題である。そもそも条文によると、先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができると規定されている(民法第304条1項)。明文で物上代位の対象であると分かるのは、「目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物」である。
では、本肢の請負代金債権は、物上代位の対象になるのであろうか。
判例によると、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を当該動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、当該部分の請負代金債権に対して物上代位権を行使することができると解するのが相当である」としている(最判平成10年12月18日)。
したがって、物上代位権を行使することができるとする本肢は正しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動産売買の先取特権に基づく物上代位につき、動産の買主が第三取得者に対して有する転売代金債権が譲渡され、譲受人が第三者に対する対抗要件を備えた場合であっても、当該動産の元来の売主は、第三取得者がその譲受人に転売代金を弁済していない限り、当該転売代金債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

難しい

 

 

上代位の要件を問うている。物上代位をするためには、払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならないとされている(民法第304条1項)。では、権利者が先取特権者である場合、本肢の先取特権者は当該要件を満たし、物上代位権を行使することができるのであろうか。
これについて判例は、「動産売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできないものと解するのが相当である」としている(最判平成17年2月22日)。
抵当権と先取特権の違い」に理由がある。動産の先取特権は抵当権とは異なり、登記という公示方法が存在しない。ゆえに債権の譲受人には先取特権者の存在が明らかでなく、先取特権者を優先させる場面ではないのである。
したがって、物上代位権を行使することができるとしている本肢は誤り。

 

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Aは、100万円の「転売代金債権」に対して物上代位権を行使することができず、
Dが、Cから100万円を払ってもらえる、ということになります。

「Aの負け!」「Dの勝ち!」ということ

 

 

 

 

 

 

Aは債権者Bのため、A所有の甲土地に、被担保債権の範囲をA・B間の継続的売買に係る売掛代金債権とし、その極度額を1億円とする根抵当権を設定した

 

 

 

 

元本が確定し、被担保債権額が6,000万円となった場合、Aは、Bに対して甲土地に対する根抵当権の極度額1億円を、6,000万円と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金および債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求できるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

条文によると、元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができるとされている(民法第398条の21第1項)。
したがって、条文のままである本肢は正しい。
これは根抵当権の極度額減額請求であるが、元本確定後にしかできない請求である点には注意を要する。わ

 

 

 

 

 

 

 

 

遺失物は、遺失物法の規定による公告後3箇月以内に所有権が知れない場合は、拾得者がその所有権を取得するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

遺失物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する(民法第240条)。 なお、同規定は新遺失物法の施行に伴って従来の6箇月→3箇月に改正されたものである(平成19年12月10日施行)

 

 

 

 

 

 

 

土地の自然の高低によって水が自然に流れてくる場合には、低地の所有者は、これを受忍しなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない(民法第214条)。なお、本規定は、自然に流れてくる水についてを定めたものなので、例えば隣地の人が隣地に地盛りをするなど作為的なことを起因として、雨水が流れてくる場合は、これを妨げ又はやめるように請求することが可能と解されている。

 

 

 

 

 

 

 

Aは、B所有の甲土地について地上権の設定を受けて、同土地上に乙建物を建築した。

 

AがC銀行のために抵当権を設定するには、乙建物のみを抵当権の目的とすることができ、Aの甲土地に対する地上権を抵当権の目的とすることはできないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

不動産だけでなく、地上権及び永小作権にも抵当権を設定することができる(民法第369条2項)。
したがって、Aは、乙建物及びAの甲土地に対する地上権を抵当権の目的とすることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

質権設定者は、質権者に代わって質物を占有することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生じ(民法第344条)、質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない(民法第345条)。なお、民法の条文上はこのように質権設定者による代理占有を禁止しているが、判例では有効に質権が設定された後、質権者が任意に返還した場合は、第三者には対抗できなくなるものの質権自体は消滅しないとされている(対抗効力喪失説:大判大正5年12月25日)。

 

 

 

 

 

 

 

地役権者が、その権利の一部を行使しないときは、その部分のみ地役権は時効によって消滅する?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する(民法第293条)。

 

 

 

 

 

 

 

乙が甲から横領したカメラを、丙が乙の所有物だと過失なく信じて買い受けた場合、甲は横領の時から2年間は、丙に対してそのカメラの返還を請求することができる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

即時取得において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる(民法第193条)

 

 

横領→( 名 ) スル
不法に他人の物を横取りすること。 「公金を-する」

 

 

だから、盗難やったら返還請求できてた❗️

 

民法①

被保佐人がその保佐人の同意を得なければならない行為は、法に定められている行為に限られ、家庭裁判所は、本人や保佐人等の請求があったときでも、被保佐人が法に定められている行為以外の行為をする場合にその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることはできない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

家庭裁判所は、保佐人等の請求により、被保佐人民法第13条第1項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であっても、その保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができるとされている(民法第13条第2項)

 

 

 

第13条(保佐人の同意を要する行為等)
1 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
(1)元本を領収し、又は利用すること。
(2)借財又は保証をすること。
(3)不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
(4)訴訟行為をすること。
(5)贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
(6)相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
(7)贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
(8)新築、改築、増築又は大修繕をすること。
(9)第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

 

 

 

 

 

後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消す必要はないが、保佐開始の審判をする場合において、本人が成年被後見人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る後見開始の審判を取り消さなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない(民法第19条第1項

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本人以外の者の請求によって保佐開始の審判をするためには、本人の同意が必要であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

本人以外の者の請求によって保佐開始の審判をする場合、本人の同意は不要である。なお、本人以外の者の請求によって補助開始の審判をする場合、本人の同意が必要である

 

 

 

 

 

 

土地の仮装譲渡において、仮装譲受人が同地上に建物を建設してその建物を他に賃貸した場合、建物賃借人において土地譲渡が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去および土地の明渡しを求めることができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

そして別の判例によると、土地の仮装譲受人が当該土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合、当該建物賃借人は、仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められないから、民法第94条2項所定の第三者にはあたらないとされている(最判昭和57年6月8日)。土地と建物は別の不動産であるから、「建物の」賃借人は、「土地」については法律上の利害関係がない。「土地」については、あるのはせいぜい事実上の利害関係に過ぎず、第三者には当たらないとの判断である。
したがって、建物賃借人を民法第94条2項の第三者とする本肢は妥当でない。

 

 

 

 

 

 

 

 

⭐️ 

仮装の売買契約に基づく売買代金債権が他に譲渡された場合、債権の譲受人は第三者にあたらないため、譲受人は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であっても、買主に対して売買代金の支払を求めることができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

発生が仮装された債権の譲受人は第三者にあたり、民法第94条第2項が適用されるとされている(大判昭和13年12月17日)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消したが、甲土地はすでにCに転売されていた。この場合において、CがAに対して甲土地の所有権の取得を主張するためには、Cは、Bの詐欺につき知らず、かつ知らなかったことにつき過失がなく、また、対抗要件を備えていなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができないとされている(民法第96条3項)

 

詐欺取消しで保護される善意の第三者Cは無過失で、かつ対抗要件まで具備しなければいけないとする本肢は妥当でない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AがEの詐欺によって本件売買契約を締結した場合、この事実を取引の相手方のBが知っていたとき、または知らなかったことにつき過失があったときは、AはEの詐欺を理由として本件売買契約を取り消すことができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

「第三者の詐欺」についての問題である。
条文によると、相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができるとされている(民法第96条2項)。つまり第三者の詐欺による意思表示を取り消すことができるのは、相手方が悪意のときのみであって、過失の有無に関係なく善意のときは含まない。
したがって、相手方が悪意のときのみならず、善意有過失のときも取り消すことができるとしている本肢は妥当でない。

 

 

 

 

 

重要❗️

詐欺→善意だけ。

過失で悪意に見なされることはない。

 

錯誤→重大な過失→自ら無効を主張できない。 

 

 

 

 

 

法律行為の要素に関する錯誤というためには、一般取引の通念にかかわりなく、当該表意者のみにとって、法律行為の主要部分につき錯誤がなければ当該意思表示をしなかったであろうということが認められれば足りるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

民法第95条に規定する、法律行為の要素に関する錯誤といえるためには、「因果関係」と「重要性」が要求される(大判大正7年10月3日)。
ここで、「重要性」とは、錯誤がなければ意思表示をしなかったであろうということが、通常人の基準からいっても(一般取引の観念に照らして)もっともであるほどの、重要な部分についての錯誤をいう。
したがって、本肢の「一般取引の観念にかかわりなく当該当事者のみにとって法律行為の主要部分につき錯誤がなければ当該意思表示をしなかったであろうということが認められれば足りる」という部分は妥当ではない。
なお、ここでいう「因果関係」とは、その錯誤がなければ表意者は意思表示をしなかったであろうということである。

 

 

 

 

 

 

 

 ⭐️

法律行為の相手方の誤認(人違い)の錯誤については、売買においては法律行為の要素の錯誤となるが、賃貸借や委任においては法律行為の要素の錯誤とはならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️なる。

人違いは、現実売買においては要素の錯誤とならないが、人格的信頼関係の色彩の強い賃貸借、委任、贈与、信頼売買等では、要素の錯誤に必要な「因果関係」及び「重要性」の要件(肢ア参照)を満たしていることになるので、要素の錯誤となる(大判明治40年2月25日)。
したがって、「賃貸借や委任については法律行為の要素の錯誤とはならない」とする記述は妥当でない。 

 



①意思表示「人が法律効果の発生を意欲し、かつその旨を表示する行為」
例:申込み、解除、取消し、転貸の承諾、同意、許可、契約
②意思の通知「意思の発表だが、意思が法律効果の発生を内容としないもの」
例:催告(請求)、弁済の受領拒否
③観念の通知「一定の事実の通知で、意思の発表という要素を含まないもの」
例:債務の承認、代理権の通知、債権譲渡の通知及び承諾

 

 

 

 

 

 

覚え方❗️

 

意思表示

 

もっかいとって東京の毛

 

 

 

意思の通知は

 

再便拒否

 

 

 観念の通知

 

初代サイヤ人

 

サイヤ人に観念する。

 

 

 

 

 

 

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Aが自己の所有する甲土地をBと通謀してBに売却(仮装売買)した場合

Aの一般債権者Dは、A・B間の売買の無効を主張して、Bに対して、甲土地のAへの返還を請求することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

民法第94条1項は、「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」と規定しているが、無効は、誰からでも主張することができるのが原則であるから(民法第120条参照)、Aの一般債権者Dは、虚偽表示の無効を主張することができる。

 

 

 

 

 

 

 

A所有の建物を売却する代理権をAから与えられたBが、自らその買主となった場合に、そのままBが移転登記を済ませてしまったときには、AB間の売買契約について、Aに効果が帰属するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

民法第108条では「同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。」とし、すなわち自己契約と双方代理は原則できないと規定している。
Aの代理人であるBが、自らその買主となることは、自己契約にあたり、その行為は無権代理行為として扱われる。
また、たとえ登記を済ませても実体の伴わない登記は無効となるため、AB間の売買契約の効果はAに帰属しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本人所有の甲不動産を処分するための代理権を与えられているAが、Bに甲不動産を譲渡する際、Bから受け取る代金は専ら自己の借金の返済に使うという意図をもって代理人として契約をしたが、Bは取引上相当な注意をしてもAのそのような意図を知ることができなかった場合本人に効果は帰属するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

代理権濫用がある場合、相手方が代理人の権限濫用の意図を知り、または知る事が出来た場合は、本人は当該契約につき責任を負わないが、本肢ではBは取引上相当な注意をしてもAのそのような意図を知ることができなかったので、本人にその責任は帰属する。
代理人が自己または第三者の利益をはかるため権限内の行為をしたときは、相手方が代理人の意図を知りまたは知りうべきであった場合にかぎり、民法第九三条但書の規定を類推適用して、本人はその行為についての責に任じないと解するのが相当である。」(最判昭和42年4月20日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

請負人とAとの間で下請負契約が締結されていたので、Aは工事材料の買い入れにあたって請負人を本人とし、自己がその代理人であるとしてBと契約をした場合本人に効果は帰属するか?

 

 

 

 

 

 請負人=本人

A=代理人

 

 

 

 

 

 

→✖️

下請負契約の内容に工事材料の買い入れの代理権は通常、含まれるものではないため、無権代理であり表見代理が成立する事情も無いから本人に契約上の効果は帰属しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

代理人は本人のために法律行為を行う者であるから、代理人としての地位は、法律に基づくもののほかは必ず委任契約によらなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

代理人は本人のために法律行為を行う者であるが、代理人としての地位は、法律に基づくもののほかは、委任契約、雇用契約、請負契約など多様な契約に基づく。
したがって、「必ず委任契約によらなければならない」とする記述は誤っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使者は、本人の完了した意思決定を相手方に伝達するのであるから、本人の真意と異なる意思を伝達した場合であってもその意思表示が無効となる余地はないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️ある。

使者の場合は、本人の意思と異なる意思を伝達した場合、つまり表示が不一致の場合は錯誤(民法第95条)の問題となると解されている(大判大正9年5月4日)。
ただ、全ての場合に錯誤を認めてしまうと、相手方保護に欠けるきらいがあるため、本人側の事情と相手方保護の必要性のバランスを考え、表見代理民法第110条)の問題とすべきだとする学説が存在する。
したがって、「無効となる余地はない」との記述は妥当ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使者は、単に本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、本人に無断で別の者を使者に選任することも認められるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

使者は、単に本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、本人に無断で別の者を使者に選任することも認められる」とする記述は妥当である。

 

 

 

 

 

 

 

 

本人から投資の勧誘を行う者として雇われていたにすぎないAが、本人の代理人としてBと投資契約をし投資金を持ち逃げした場合本人に効果は帰属するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

権限外の行為の表見代理が(民法第110条)成立するには「基本代理権の存在」が要求され、投資の勧誘のような単なる事実行為はこれに含まれないため、表見代理は成立しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時効中断後、時効中断事由が終了した時には、時効は新たに進行を開始するのではなく、時効中断時における残りの期間を経過することによって完成するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

中断した時効は、その中断の事由が終了した時から、「新たに」その進行を始める。(民法第157条第1項)

 

 

 

時効の停止と区別❗️

 

時効が中断した場合には、それまでに経過した期間は法律上は無意味なものとなり。

 

時効の中断事由が終了した時から、新たに時効期間が進行を開始する。

 

時効が停止した場合には、時効の完成が一定期間猶予されるだけであり、時効の停止事由が終了しても、新たに時効期間が進行を開始することはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期限の定めのない債権の消滅時効は、債権者が相当の期間を定めて催告し、その期間が経過した時から進行するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

消滅時効は、権利を行使することができる時から進行するため(民法第166条)、 期限の定めのない債権の消滅時効の起算点は

 

債権の成立又は発生の時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 債務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効は、債務の履行が不能になった時から進行するとするのが判例の立場であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

契約に基づく債務について不履行があったことによる損害賠償請求権は、本来の履行請求権の拡張ないし内容の変更であって、本来の履行請求権と法的に同一性を有すると見ることができるから、債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効

 

 

 

本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始する(最判平成10年4月24日)。

 

 

 

 


なお、契約の解除による原状回復請求権は、解除によって新たに発生するものであるため、消滅時効は解除の時から進行する(最判昭和35年11月1日)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画は、ある日それまで面識のなかったCがBのもとに持ち込み買取りを求めたものであることがわかった。Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対してまったく無償で、その絵画の引渡しを求めることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

即時取得した場合において、その占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者等は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる(民法第193条)。
もっとも、占有者が、盗品又は遺失物を、公の市場等で善意に買い受けたときは、被害者等は、占有者が支払った代価を弁償して回復できる(民法第194条)。

 

 

 


本肢は、「面識のなかったCがBのもとに持ち込み買取りを求めたものであること」から、前者(民法第193条)が適用される❗️

 

 

 

 


したがって、Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対してまったく無償で、その絵画の引渡しを求めることができる。

 

 

 

 

 

 

 

Aは、Bから事情を聴いたところ、その絵画はBがオークションで落札したものであることがわかった。Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対して保管に要した費用を支払って、その絵画の引渡しを求めることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

Bはオークションを介して購入しているため、AはBに対して、「保管に要した費用」ではなく「占有者が支払った代価」すなわち当該絵画におけるオークションでの落札額を支払わなければ引渡しを求めることはできない(民法第194条)。
したがって、「Aは、盗難の日から2年以内であれば、Bに対して保管に要した費用を支払って、その絵画の引渡しを求めることができる。」とする本肢は誤りである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A、BおよびCが甲土地を共有し、甲土地上には乙建物が存在している

Fが賃借権に基づいて甲土地上に乙建物を建てた場合において、A、BおよびCが甲土地の分割協議を行うとするときは、Fに対して分割協議を行う旨を通知しなければならず、通知をしないときは、A、BおよびCの間でなされた分割の合意は、Fに対抗することができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

民法によると、共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができ、参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができないとされている(民法第260条1項2項)。共有物について、権利を有する者等を保護するための規定である。
共有物を賃借し建物を所有する者は第260条1項の「共有物について権利を有する者」である。
しかしながら、その者に分割協議を行う旨を通知しなければいけない根拠が条文上になく、通知の義務はない。
したがって、通知を義務とし、また、通知を欠いた場合に、共有物について権利を有する者であるFに対抗できないとする本肢は誤り。

 

 

 

 

 

 

 

 

A、BおよびCは費用を出し合って、別荘地である甲土地および同地上に建造された乙建物を購入し、持分割合を均等として共有名義での所有権移転登記を行った。

 

 

Cが甲土地および乙建物にかかる自己の持分をDに譲渡し、その旨の登記がなされたが、CD間の譲渡契約は錯誤により無効であった。この場合、AおよびBは、自己の持分が害されているわけではないので、単独でDに対してCD間の移転登記の抹消を求めることはできないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

不動産の共有者の1人は、~中略~、不実の持分移転登記がされている場合には、~中略~、共有不動産について全く実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる」としている(最判平成15年7月11日)。

 

 

 

 

甲土地に隣接する丙土地について、甲土地からの観望を損ねるような工作物を建造しないことを内容とする地役権が設定され、登記されていた。この場合、Aは、自己の持分については、単独で同地役権を消滅させることができるが、同地役権の全部を消滅させることはできないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

条文によると、土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができないとされている(民法第282条第1項)。地役権には不可分性があり、共有者の一人がその持分について、土地のための地役権を消滅させることはできないのである。

 

 

 

 

 

それは「民法は地役権に優しい」ということである。民法の条文によると、地役権はなるべく成立するように、そしてなるべく消えないように配慮がなされている。

 

 

 

 

 

具体例を挙げる。条文によると、土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得するとされており(民法第284条第1項)、なるべく成立しやすい方向であると分かる。別の条文によると、要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずるとされており(民法第292条)

 

 

 

 

 

比較

 

 

 

 地役権者が、その権利の一部を行使しないときは、その部分のみ地役権は時効によって消滅するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する(民法第293条)。

 

 

 

 

 

 

 Cの債務を担保するため、A、BおよびCが、各人の甲土地にかかる持分につき、Cの債権者Fのために共同抵当権を設定していたところ、抵当権が実行され、Gが全ての持分を競落した。この場合には、乙建物のために法定地上権が成立するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

なぜか?

 

法定地上権の成立要件についての問題である。法定地上権の成立についての問題は、その成立要件を丸暗記し、形式的に当てはめれば、ほとんどの問題は解けてしまう。
成立要件は①抵当権設定当時に建物が存在していた、②抵当権設定当時、土地と建物が同一の所有者に帰属していた、③土地と建物の一方又は双方に抵当権が設定され、それが抵当権の実行によって、それぞれ別々の所有者に帰属することになった、以上の3つである。本肢の場合はすべてが満たされるから、法定地上権は成立する。(民法第388条)
したがって、法定地上権が成立するとする本肢は妥当である。

 

 

 

 

 

 

 

 

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だか、土地所有権全員の意思に基づくなら、

法定地上権は成立する❗️

会社法⑦

社員たる地位を細分化したもので、均一化された割合的単位で示されるのは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 持分会社の社員の持分は、株式会社の株式とは異なり、一人一持分であって、細分化されたものではなく、内容が均一化されたものでもないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

株式会社の株式は、原則として細分化された割合的単位で、その個々の内容は均一化されており(持分均一主義)、また、各株主は株式を複数所有することが可能で、その数に応じた地位を有する(持分複数主義)。
これに対し、持分会社の持分では、細分化や内容の均一化はされておらず、原則として、それぞれの社員の出資額に応じて扱いが異なっており(持分不均一主義)、また、一人一持分である(持分単一主義)。

 

Gさん不均一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合名会社と合資会社の持分は、定款の定めにより1持分につき複数の議決権を与えることができるが、株式会社でも、1株に複数の議決権を有する種類株式を発行する旨を定款に定めることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

合名会社と合資会社の業務執行の意思決定は原則として社員一人一票による多数決で行う持分単一主義を採っており(会社法第590条2項参照)、定款によって、出資額による多数決とすることはできるが、1持分につき複数の議決権を与えることはできないと解される。
また、株式会社においても、1株1議決権の原則が採られており、1株につき複数の議決権を有するような株式は認められていない(会社法第308条1項)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合名会社および合資会社会社の社員は、会社の業務を執行し、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負うか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

条文によると、持分会社の社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する(会社法第590条第1項)。「所有と経営が一致」しているのが持分会社である。
また、条文によると、業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負うとされている(会社法第593条第1項)

 

 

 

 

 

 

資本金の額を記載し、これを登記するのは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合同会社

 

 

 

 

 

 

 

持分会社無限責任社員は、株式会社の株主とは異なり、金銭出資や現物出資にかぎらず、労務出資や信用出資の方法が認められているか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

株式会社の株主では、金銭出資や現物出資に限られており(会社法第28条、199条1項など)、また、持分会社(合名会社、合資会社及び合同会社) でも、有限責任社員は、金銭等の出資に限られるが、無限責任社員は、労務出資や信用出資の方法が認められている(会社法第576条1項6号)

 

 

 

合同会社有限責任→明確に出資した金額が必要よう。

仮に労務出資を認めると、日当とか人によってバラバラだから、判断しずらいから、労務出資や信用出資の方法が認められていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合資会社有限責任社員は、定款記載の出資額までしか責任を負わないため、有限責任社員となる時点で出資全額の履行が要求されているか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

合資会社有限責任社員は、定款記載の出資額までしか責任を負わないという点は正しいが、合資会社有限責任社員は、社員となる時点で出資全額の履行は要求されてはいない(会社法第580条1項)。
なお、

 

 

合同会社の社員→原則として設立の登記をするまでに出資全額の払い込み又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならないとされてる

 

 

同じ有限責任社員でこのような差異があるのは、合資会社には無限責任社員がおり、会社の債権者に対する一定の保護があるため、自立的な判断に委ねられたものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社は、会社を表章する有価証券を発行しなければならず、合名会社と合資会社でも持分を表章する有価証券を発行しなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

株式会社は、法改正によって株券の不発行が原則となっている(会社法第214条)。
また、合名会社、合資会社においては、持分を表章する有価証券の発行は予定されておらず、発行しなければならないものではない。

 

 

株式も自分会社も不発行が原則❗️

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合資会社では、無限責任社員から業務執行権と会社代表権を有する代表社員を選任することを要し、株式会社では、取締役から業務執行権と会社代表権を有する代表取締役を選定するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

合資会社等の持分会社では、原則として業務を執行する社員が会社を代表するが(会社法第599条1項)、業務執行権は無限責任社員に限定されてないため、業務執行権と会社代表権を有する代表社員無限責任社員から選任することを要するわけではない(会社法第590条1項、同法第591条1項)。
これに対し、株式会社は、代表取締役は、取締役から選任される(会社法第349条3項、同法第362条3項)。
なお、取締役会設置会社以外では、各取締役が代表し、必ずしも代表取締役を選任する必要があるわけでは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社は、いずれも監査役を設置することができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

条文によると、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならないとされている(会社法第327条第4項)。監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社では、監査役ではなく取締役による監督が期待されており、社外取締役を中心に監督がなされる。監査役はそもそも存在しないのである。
したがって、監査役を設置することができないとする本肢は正しい。
ところで、取締役の監督を期待する理由は、監督権限の範囲の広さにある。監査役の監査権限は、会計監査権限と業務監査権限(適法性監査権限)である。監査役は、経営上の責任を負わないため、業務監査権限のうち適法性監査権限を有し、妥当性監査権限までは有しないとする見解が有力である。一方で取締役は経営者であり、経営上の責任があるため、経営上の妥当不当まで口をはさむことができる、つまり妥当性監査権限まで有するのである。

 

 

 

 

監査等委員会設置会社には

指名委員会及び報酬委員会は存在しない。

 

 

監査役会に代わって過半数社外取締役を含む取締役3名以上で構成される監査等委員会が、取締役の職務執行の組織的監査を担うというもの。監査役会設置会社と指名委員会等設置会社の中間的性格を帯びた第三の会社形態として、上場会社の間で急速に広まりつつある。

 

 

会社法⑥

取締役会設置会社において取締役が、取締役会の承認を受けて会社を代表して他の取締役に金銭を貸し付けた場合であっても、その取締役はまだ弁済のない額について弁済する責任を負うか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

肢4同様に改正後の会社法では削除された規定である(会社法第356条1項1号、同法第365条参照

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6箇月前から継続して株式を保有する株主は、取締役会に対し書面により取締役の責任を追及する訴えの提起を請求することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

6ヶ月前から継続して株式を保有する株主は、役員等に対して訴えを提起するよう、株式会社に対し請求することができる(会社法第847条1項)。

 

 

 

 

 

 

 

募集社債の払込金額が募集社債を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、株主総会の決議によらなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

募集株式や新株予約権において、それが有利発行に当たる場合は、株主総会決議を要するが(会社法第201条1項、会社法第240条1項)、募集社債ではそのような規定はないため、取締役会が決定する(会社法第362条4項5号)。
したがって、株主総会決議によるわけではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

募集新株予約権の行使に際して出資する金銭その他の財産の価額が新株予約権を引き受ける者に特に有利な金額であるときには、募集新株予約権の募集事項は、株主総会の特別決議により決定しなければならない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

募集新株予約権の募集事項の決定は、それが有利発行にあたる場合は、株主総会の特別決議が必要となるが(会社法第238条2項、309条2項6号)、公正発行(非有利発行)の場合は、公開会社は、原則として取締役会の決議で足りることになる(会社法第240条1項)。
ところで、新株予約権者が、実際に権利を行使し、新株を受け取るまでの費用は、【1】「新株予約権の発行価額」と【2】「権利行使価額」に分けられるが、有利発行にあたるかどうかは、条文上、「募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこと」(会社法第238条1項2号)又は「募集新株予約権の払込金額」(会社法第238条1項3号)が、特に有利な条件又は金額にあたるかどうか、すなわち【1】「新株予約権の発行価額」で判断するとなっている(会社法第238条3項)。
しかし、本肢は「募集新株予約権の行使に際して出資する金銭その他の財産の価額」(会社法第236条1項2号)が、特に有利な金額であるときとしており、これは【2】「権利行使価額」であって、その判断をする際の一要素にすぎず、これが有利であることをもって、即座に有利発行にあたるとはいえない。
したがって、本肢は、必ずしも「株主総会の特別決議により決定しなければならない。」とはいえない。

 

 

 

 

 

 

 

 

会社法上の公開会社の剰余金の配当に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

 

 

剰余金の配当について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款に定めることは、株主平等原則に反して許されないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

会社法第109条1項は「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」として株主平等の原則を規定している。
他方、会社法第109条2項は「『公開会社でない株式会社』は、一定の権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる」と規定している。
本問は、「公開会社」であることが前提だから、会社法第109条1項の適用となる。

 

 

 

 

 

 

 

配当される財産は金銭に限定されないが、現物でのみ配当する場合には、株主総会の特別決議が必要であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

会社法第454条4項は「配当財産が金銭以外の財産であるとき」について規定している。これを現物配当という。
会社法309条柱書、同条2項10号は「第454条4項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項1号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)」をするには株主総会の特別決議が必要であるとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剰余金配当請求権は、株主が会社から直接経済的利益を受ける重要な権利であるため、剰余金配当請求権を付与しない旨の定款の定めを置くことは許されないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

株主の権利には、「剰余金の配当を受ける権利」「残余財産の分配を受ける権利」及び「議決権」がある(会社法第105条1項)。
前者2者は自益権と呼ばれ、後者は共益権と呼ばれている。
会社法第105条2項は「『剰余金の配当を受ける権利』及び『残余財産の分配を受ける権利』の全部を与えない旨の定めは無効」としている。
ところで、本肢は自益権の中の「剰余金の配当を受ける権利」だけを問題としている。
この場合は、残余財産の分配を受ける権利はあると考えられ、その旨の定款を置くことも許される。

 

 

 

 

 

 

 

 

剰余金の配当においては、株主総会の決議により、当該会社の株式、新株予約権または社債を配当財産とすることができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

剰余金の配当財産は金銭に限られるものではないが、当該株式会社の株式等(株式、新株予約権または社債)にすることはできない(会社法第454条1項1号)。
なお、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合は特別決議を要する(会社法第309条2項10号)。

 

 

 

剰余金配当請求権 →配当金など、会社が出した利益の一部を受け取れる権利。

 


残余財産分配請求権→会社が解散・清算したときに会社の債務を弁済した後に残る財産の分配を受ける権利。

 

 

 

 

 

 

 

株式の発行による場合は、株式の発行価額が、原則として〔〕に計上されるのに対して (会社法第445条1項)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

 

 

 

 

 

 

 

 

自己株式の場合は、その価額はその他〔〕に計上されるという違いがある(会社計算規則50条)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社の資本金は、利害関係人にとって唯一の責任財産となるから、定款に記載されるとともに、登記および貸借対照表により公示されるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

株式会社の資本は、定款の記載事項とされない(会社法第27条)。なお、資本の額が登記及び貸借対照表に記載され、公示されるという点は正しい(会社法911条3項5号、同法第440条)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社の設立にあたっては、定款に記載される「発行可能株式総数」の全部を発行することは必要でなく、原則としてその4分の1以上を発行するだけでよい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

3  設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

 

 

 

 

 

 

 

社債その他の借入金や準備金も資本であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

株式会社の資本金の額は、原則として設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額であり、社債その他の借入金や準備金は、資本の額に算入されない(会社法第445条1項)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

代表取締役監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役全員の同意を得なければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 条文によると、取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならないとされている(会社法第343条1項)。全員の同意ではなく、過半数の同意でよいのである。
したがって、監査役全員の同意が必要であるとする本肢は誤り。
なお、会社法第343条第1項の趣旨はこうである。取締役が監査役選任議案を決めるということは、監査される側の者が、監査する者を推薦することになる。これでは監査の実効性が確保できなくなる可能性があるため、会社法第343条第1項を設けたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社法⑤

取締役会設置会社が、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による株式の取得について当該会社の承認を要する旨を定める場合(以下、譲渡制限とはこの場合をいう。)

 

 

 

 

会社が譲渡制限をしようとするときは、株主総会の決議により定款を変更しなければならず、この定款変更の決議は、通常の定款変更の場合の特別決議と同じく、定款に別段の定めがない限り、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上の多数をもって行われるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)に当たる多数をもって行わなければならない(会社法第309条3項1号)。
これは特殊決議の1つである。
したがって、通常の特別決議(会社法第309条2項)と同じとする本肢は誤っている。

 

 議決権を行使することができる株主の半数以上、当該株主の議決権の3分の2以上→特殊決議

 

 

普通決議

定足数「議決権の過半数を有する株主の出席」
表決数「議決権の過半数の賛成」

 

 

特別決議

定足数「議決権の過半数を有する株主の出席」これは普通決議と同じです。
表決数「議決権の2/3以上の賛成」

 

①特殊決議

定足数はありません。
表決数は「議決権を行使できる株主の半数以上かつ当該株主の議決権の3分の2以上」

 

②特殊決議

特殊決議

定足数はありません。
表決数は「総株主の半数以上かつ総株主の議決権の4分の3以上」

 

創立総会の決議

 

 

 

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特別決議

 

 

 

 

 

 

 

1号 譲渡制限株式を会社が買取る際の買取事項の決定,指定買取人の指定
2号 株主との合意による自己株式の有償取得の場合の取得事項の決定
3号 全部取得条項付種類株式の取得に関する決定
4号 株式併合
5号 募集株式の事項の決定
6号 新株予約権の事項の決定
7号 累積投票により選任された取締役の解任、監査役の解任
8号 役員等の会社に対する損害賠償責任の一部免除
9号 資本金の額の減少
10号 剰余金の配当に関する事項の決定
11号 定款の変更、事業の全部の譲渡、事業の重要な一部の譲渡、事業の全部の譲受け、事業の全部の賃貸、事後設立、解散、解散した会社の継続
12号 組織変更,合併,会社分割,株式交換及び株式移転の規定により総会決議を要する場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月特殊決議

定足数はありません。
表決数は「議決権を行使できる株主の半数以上かつ当該株主の議決権の3分の2以上」

 

1号 全部の株式を譲渡制限とする定款の変更
2号 吸収合併、株式交換で、株主の株式が譲渡制限株式となる場合の承認
3号 新設合併契約等の承認

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イ 譲渡制限の定めのある株式を他人に譲り渡そうとする株主は、譲渡による株式の取得について承認をするか否かの決定をすることを会社に対して請求できるが、この請求は、利害関係人の利益を害するおそれがない場合を除き、当該株式を譲り受ける者と共同して行わなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる(会社法第136条)。
したがって、譲渡制限株式の株主からの譲渡の承認請求は、株主が単独ですることができる。
なお、株式取得者からの譲渡承認の請求については、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない(会社法第137条2項)。
本項に規定する「利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合」には、たとえば、株券の所持人が株券を提示して承認請求をする場合等がある。株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定される(会社法第131条1項)からである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

譲渡制限の定めのある株式の譲渡による取得について承認をするか否かの決定をすることを請求された会社が、この請求の日から2週間(これを下回る期間を定款で定めた場合はその期間)以内に譲渡等の承認請求をした者に対して当該決定の内容について通知をしなかった場合は、当該会社と譲渡等の承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときを除き、承認の決定があったものとみなされるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

株式会社が譲渡制限株式を譲り渡そうとする者からの承認請求又は譲受人からの承認請求の日から2週間以内に譲渡等の承認の決定等の通知をしなかった場合は、株式会社は、株式譲渡の承認をする旨の決定をしたものとみなす。ただし、株式会社と譲渡等承認請求者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない(会社法第145条1号)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

譲渡制限の定めのある株式の譲渡による取得を承認しない旨の決定をした会社は、対象となる株式の全部または一部を買い取る者を指定することができ、この指定は定款に別段の定めがない限り、取締役会の決議によって行うか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

株式会社は、譲渡承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式を買い取らなければならないが(会社法第140条柱書)、対象株式の全部又は一部を買い取る者を指定することもできる(会社法第140条4項)。
そして、この指定は、株主総会取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない(会社法第140条5項)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

譲渡制限の定めのある株式の譲渡による取得を承認しない旨の決定をした会社が当該株式を買い取る場合は、対象となる株式を買い取る旨、および会社が買い取る株式の数について、取締役会の決議により決定するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

株式会社は、譲渡承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式を買い取らなければならないが(会社法第140条第1項柱書)、この場合は、以下のことを定めなければならない(会社法第140条1項)。

①対象となる株式を買い取る旨
②株式会社が買い取る株式の数
そして、上記事項の決定は、株主総会の特別決議によらなければならない(会社法第140条2項、309条2項1号)。
したがって、「取締役会の決議により決定する」とする記述は誤っている。

 

 

 譲渡制限株式を会社が買取る際の買取事項の決定,指定買取人の指定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役が会社から受ける報酬等の額、報酬等の具体的な算定方法または報酬等の具体的な内容については、定款に当該事項の定めがある場合を除き、会社の業務執行に係る事項として取締役会の決定で足り、株主総会の決議は要しないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

取締役の報酬等のうち「報酬等の額」、「報酬等の具体的な算定方法」、「報酬等の具体的な内容」を定款に定めていないときは、株主総会の決議によって定める(会社法第361条1項)。
したがって、これらは、取締役会の決定では足りない。
なお、当該規定は、自分(取締役)たちで自分たちの報酬を定める(取締役会で定める)といわゆる「お手盛り」となる危険があるため、設けられた規定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役会の法定の重要な業務執行を3つ答えよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重要な財産の処分及び譲受け」

「多額の借財」

「重要な使用人の選任及び解任‼️

会社法第362条4項2号)。

 

 

 

 

 

 

 

 指名委員会等設置会社

 

取締役および社外取締役の員数の要件を満たせば、多額の借財の決定を特別取締役からなる取締役会に委譲することができる?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

取締役設置会社は、「取締役の数が6人以上」及び「1人以上の社外取締役」という2つの員数要件をいずれも満たしている場合、

 

取締役会は

「重要な財産の処分・譲受け」

 

及び

「多額の借財についての決議」については、あらかじめ選定した3人以上の取締役(特別取締役)のうち、議決に加わることができるものの過半数(取締役会で要件を加重することは可能)が出席し、その過半数(取締役会で要件を加重することは可能)をもって行うことができる旨を定めることができる(会社法第373条1項)。
しかし、この特別取締役の制度は、指名委員会等設置会社で採用することはできない(会社法第373条1項括弧書)。
したがって、指名委員会等設置会社以外の取締役会設置会社では、多額の借財の決定を特別取締役からなる取締役会に委譲することができるが、指名委員会等設置会社においては、多額の借財の決定を特別取締役からなる取締役会に委譲することはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

業務執行権のない子会社の取締役は、親会社の株主総会決議にもとづき、親会社の社外取締役を兼任することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

会社法第2条15号は「社外取締役」の意義について、「株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう」と規定している。
したがって、「業務執行権のない子会社の取締役」は上記のいずれにも該当せず、社外取締役となることができるため、兼任することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社が企業提携のために、特定の第三者に対して、募集株式を時価発行する場合には、取締役会の決定で足りるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

募集株式の発行は、非公開会社における募集株式の発行は、有利、普通にかかわらず株主総会の特別決議事項で(会社法第199条2項、309条2項5号)、公開会社における募集株式の発行は、有利発行は株主総会の特別決議事項で、普通発行は取締役会の決議事項である(会社法第201条1項)。
したがって、取締役会の決定で足りる。

 

 5号 募集株式の事項の決定→特別決議

 

 

 

普通発行は取締役会の決議事項である(会社法第201条1項)→公開会社における募集事項の決定の特則

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社が事業の見直しのために、支店を統廃合する場合には、取締役会の決定を要するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止」の業務執行の決定をすることは、取締役会の権限に属する業務であり、また、取締役に委任することもできない(会社法第362条4項4号) 

 

 

 

4.
取締役会は、
「以下の事項」「その他の重要な業務執行」の決定を
取締役に「委任」することができません

①「重要な財産」の処分、譲受け
②「多額の借財」
③「支配人」「その他の重要な使用人」の選任、解任
④「支店」「その他の重要な組織」の設置、変更、廃止
⑤「社債引受人の募集事項」(会社法676条第1号)
 「社債引受人の募集に関する重要な事項」として法務省令で定める事項
⑥「取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制」
 「会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制」
 の整備
⑦「役員等が任務を怠ったときの損害賠償責任」(会社法423条第1項)の免除

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役が法令もしくは定款に違反する行為をし、当該行為によって株式会社に著しい損害が生じるおそれがある場合には、株主は直ちに当該取締役の解任の訴えを提起することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

 

役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議の効力を生じないときは、

 

 

一定の株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる(会社法第854条1項)。
したがって、全ての株主が対象ではなく、要件として総株主の議決権の百分の三以上の議決権を六箇月以上保有等の一定の株主が対象であり、また、「直ち」に当該取締役の解任の訴えを提起することはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役の職務の執行が法令および定款に適合するための体制(いわゆる内部統制システム)の整備については、代表取締役が決定するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備については取締役会が決定するものであり、代表取締役を含め、取締役へ委任する事はできない(会社法第362条4項6号)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウ.代表取締役は、会社の業務に関する一切の裁判上の権限を有するため、取締役の義務違反により会社に損害が生じた場合に、当該取締役に対する責任追及のための訴訟を提起するか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

 

代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有するが(会社法第349条4項)、公開会社たる取締役会設置会社(※監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならず(会社法第327条2項)、監査役設置会社が当該訴えをする場合は、監査役が当該会社を代表することになる(会社法第386条1項)。
したがって、代表取締役の権限として、当該訴えについて、提起することはできない。
なお、監査役設置会社でないケースを想定しても、株式会社が取締役に対し、又は取締役が株式会社に対して訴えを提起する場合には、株主総会は、当該訴えについて株式会社を代表する者を定めることができ(会社法第353条)、株主総会が当該訴えについて、代表者を定めていない場合、取締役会は会社を代表する者を定めることができるため(会社法第364条)、必ずしも代表取締役が代表者となるわけではない。

 

 

 

 

 

 

 

代表取締役は、取締役会決議に基づいて、代表権の一部を他の取締役に委譲することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

代表取締役の代表権の一部を他の取締役に委譲することの是非について、明示的な規定は存在しないが、会社法第349条4項では「代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。」とし、同条5項では「前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない」としていることから、代表取締役の権限は包括的、且つ、不可制限的なものとされている。
であるならば、たとえ取締役会決議に基づいたとしても、代表取締役の代表権の一部を他の取締役に委譲することはできないと解されることになろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役会は、法定事項や重要な業務執行について決定権限を有するが、それ以外については、代表取締役に、業務執行の決定を委任することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

取締役会は、会社法第362条4項に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することはできないが、それ以外については代表取締役に、業務執行の決定を委任することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aが自ら会社を代表してA自身を借主とする契約を締結することは、自己契約に当たるため、他の取締役が会社を代表しなければならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

取締役が利益相反取引をする場合、事前に取締役会の承認を受ける必要があり、承認を受けていれば民法上で禁止されている自己契約にあたらないため、他の取締役が会社を代表する必要はない(会社法第356条1項2号、同条2項、同法第365条1項)。

 

 

 

 

 

 

 

金銭の貸付を受けたAの損害賠償責任は、株主総会の特別決議によっても一部免除することができないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

 

 

役員等の任務を怠ったときの損害賠償責任は、株主総会の特別決議によって一部免除されることがあるが、自己のために直接取引をした取締役の損害賠償責任は、この対象にならない(会社法第428条2項、同法第425条1項)。
なお、利益相反取引のうちAが負う会社に対する任務懈怠の損害賠償責任は、総株主の同意がある場合は、免除することができる(会社法第424条、423条1項)。

 

 

 

会社法④

株式会社の株主等の閲覧権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、甲株式会社(以下、甲会社という)は、会社法上の公開会社とする。

 

 

単独株主Aは、甲会社の株式を市場において1000株取得した時点で、甲会社の株主構成を知りたいと考えた。Aは、営業時間内であれば、いつでも甲会社の株主名簿を閲覧することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、株主名簿の閲覧又は謄写の請求をできる(会社法第125条2項1号)。
しかし、株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない(会社法第130条)。
したがって、Aは、甲会社の株式を市場において取得した時点では、甲会社の株主名簿を閲覧することはできない。
なお、請求者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったときや請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるときなど一定の事由に該当する場合は、拒む事も可能である(会社法第125条3項)。

 

取得してすぐなら、会社に拒否されるかもしれない。

 

見たいなら、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

甲会社の債権者Bは、甲会社からの債権放棄の要請に対して、甲会社の取締役等の責任追及をしたいと考えている。Bは、責任追及のための情報を得るために、営業時間内であれば、いつでも甲会社の取締役会議事録を閲覧することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について閲覧又は謄写の請求をすることができる(会社法第371条4項)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

違う問題

 

 

 

議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議に反対する株主は、株式買取請求権を行使することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

反対株主には、株式の買取請求権が認められているが(会社法第116条)、本肢の「議決権制限株式を発行する旨の定款変更決議に反対する株主」は、ここにいう株式買取請求権が認められた反対株主には該当しない。 したがって、当該株主は、株式買取請求権を行使することはできない。

 

 

全部の株式について、株式譲渡制限を定める定款変更」の決議ならできる。

公開会社→非公開会社

 

 

 

以下に示す会社の基礎的な変更の場合に、多数決で決議が成立したときは
「反対株主」には、
その株主が有する株式を「公正な価格」で買取ることを会社に請求する権利が認められます。

《買取請求が認められる場合》

●「事業の全部または重要な一部の譲渡」についての決議
  (会社法469条、会社法470条)
●「全部の株式について、株式譲渡制限を定める定款変更」の決議
  (会社法116条1項1号)
●「ある種類の株式について、譲渡制限株式または全部取得条項付種類株式
  に変更する定款変更」の決議 (会社法116条1項2号)
●「合併」「新設分割」「吸収分割」「株式交換」「株式移転」の決議
  (会社法785条、786条、会社法797条、798条、会社法806条、807条)
●以下の行為で、特定の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき 
  (会社法116条1項3号)
  ・株式の併合
  ・株式の分割
  ・株式無償割り当て
  ・単元株式数の定款変更
  ・株式を引き受ける者の募集
  ・新株予約権を引き受ける者の募集
  ・新株予約権無償割当

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株主総会の決議取消しの訴えにおいて、株主総会の決議の方法に関する瑕疵が重大なものであっても、当該瑕疵が決議に影響を及ぼさなかったものと認められる場合には、裁判所は、請求を棄却することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

 

条文によると、次のように規定されている。「前項の訴え(株主総会等の決議の取消しの訴え)の提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、

 

 

かつ

 

決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる(会社法第831条2項)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社法上の公開会社(委員会設置会社を除く。)における株主総会の決議に関する次の記述のうち、会社法の規定および判例に照らし、株主総会の決議無効確認の訴えにおいて無効原因となるものはどれか。なお、定款に別段の定めはないものとする。

 

 

 

代表権のない取締役が取締役会の決議に基づかずに招集した株主総会において、当該事業年度の計算書類を承認する決議がなされた場合?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

株主総会の招集の決定は、会社にとって重要な業務執行の決定であり、その招集は業務執行であり、かつ、会社代表である側面を有する。
そして、取締役会設置会社においては、取締役会がその業務の決定をした上で(会社法第298条4項、362第2項1号)、代表取締役会社法第349条)または代表執行役(会社法第420条)が会社を代表する。
したがって、取締役会設置会社においては、株主総会の招集の決定権は取締役会にあり、招集権者は代表取締役または代表執行役である。
そして、取締役会の決議を経ずになされた代表取締役(又は代表執行役)以外の者が招集した株主総会は、法的に有効な株主総会とは評価されず、決議不存在事由(会社法第830条1項)になるとされる(最判昭和45年8月20日)。
なお、取締役会の決議を経ずになされた代表取締役(又は代表執行役)が招集した株主総会決議は、招集手続の法令違反として、決議取消事由になるとされている(最判昭和46年3月18日)。

取締役会の決議を経ずになされた
代表取締役(又は代表執行役)以外の者が招集した株主総会決議 決議不存在事由
取締役会の決議を経ずになされた
代表取締役(又は代表執行役)が招集した株主総会決議

 

 

 

 

 

取締役の任期を、選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時までとする株主総会決議がなされた場合?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない(会社法第332条1項)。
したがって、本肢の取締役の任期を、当該事業年度に関する定時株主総会終結の時までとする株主総会決議は有効である。
なお、公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度にのうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで伸長することを妨げない(会社法第332条2項)。

 

 

 

 

 

 

 

特定の株主が保有する株式を当該株式会社が取得することを承認するための株主総会に、当該株主が出席して議決権を行使し決議がなされた場合?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 特定の株主が保有する株式を当該株式会社が取得することを承認するための株主総会に、当該株主が出席して議決権を行使することは原則としてできないが(会社法第160条4項、156条)、このような特別利害関係人による議決権の行使によって著しく不当な決議がされた場合は、当該株主総会決議の取消事由となる(会社法第831条1項3号)。
したがって、本肢の株主が出席して議決権を行使しても、取消事由にはなり得るが、無効原因とはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社がその事業の全部または重要な一部の譲渡を行う場合には、譲渡会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲渡する資産の帳簿価格が譲渡会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

会社がその事業の全部の譲渡、または事業の重要な一部の譲渡を行う場合には、原則として、譲渡会社において、株主総会の特別決議による承認を要する。ただし、当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものは除かれる(会社法309条2項11号、467条1項1号・2号)。
簡単に言えば、譲渡する規模が小さい場合は、特別決議は必要ないということである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会社が他の会社の事業の全部または重要な一部を譲り受ける場合には、譲受会社において株主総会の特別決議による承認を要するが、譲受会社が対価として交付する財産の帳簿価格の合計額が譲受会社の総資産の額の五分の一を超えないときは、株主総会の承認は不要であるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

他の会社の事業の全部の譲受けは、特別決議を要するが、重要な一部を譲り受ける場合には、株主総会決議は必要ない(会社法第467条1項1号~3号参照)。
なお、譲受会社が、取締役設置会社である場合は、取締役会決議は必要となる(会社法第362条4項1号)。また、事業の全部の譲受けにおいて、譲受会社が対価として交付する財産の帳簿価格の合計額が譲受会社の純資産の額の五分の一を超えないときは、原則として株主総会の承認は不要である(会社法第468条2項)。

 

 

重要❗️

 

特別決議

 

譲受会社→会社が他の会社の事業の全部

 

もらうから事業の全部だけに適用

特別決議

 

譲渡会社→会社が他の会社の事業の全部または重要な一部。

渡すから重要な一部でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

6月前より引き続き発行済株式の総数の100分の1以上に当たる株式を有する株主は、株主総会招集の手続及びその決議の方法を調査させるため、株主総会に先立ち検査役の選任を取締役会に請求することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 6月前より引き続き発行済株式の総数の100分の1以上に当たる株式を有する株主は、株主総会招集の手続及びその決議の方法を調査させるため、株主総会に先立って検査役の選任を

 

裁判所に対して申立てて行う(会社法第306条)。

 

 

 検査役100分の一

携帯(けいた1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取締役は、取締役会において選任され、選任された後始めて開かれた株主総会において承認される?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

取締役は、株主総会の決議によって選任される(会社法第329条1項)