スティーブン孝成

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国家賠償法②取消訴訟

都市計画事業のために土地が収用される場合、被収用地に都市計画決定による建築制限が課されていても、被収用者に対して土地収用法によって補償すべき相当な価格とは、被収用地が、建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

判例最判昭和48年10月18日)は、都市計画事業のために土地が収用される場合、「被収用地については、街路計画等施設の計画決定がなされたときには建築基準法44条2項に定める建築制限が、また、都市計画事業決定がなされたときには旧都市計画法11条、同法施行令11条、12条等に定める建築制限が課せられているが、前記のような土地収用における損失補償の趣旨からすれば、被収用者に対し土地収用法72条によって補償すべき相当な価格とは、被収用地が、右のような建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいうと解すべきである」としている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国家賠償法は、国または公共団体の損害賠償責任について、補充的に「民法の規定による」としているが、民法典以外の失火責任法(失火ノ責任二関スル法律)や自動車損害賠償保障法なども、ここにいう「民法の規定」に含まれるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→◯

国又は公共団体の損害賠償の責任については、補充的に「民法の規定」が適用される(国家賠償法第4条)。
また、ここにいう「民法の規定」には、民法典以外に失火責任法(最判昭和53年7月17日、最判平成元年3月28日)、自動車損害賠償保障法(最判昭和46年11月19日、東京地判昭和44年4月16日)などの民法の付属法規も含まれるとするのが判例の立場である。

「公権力の行使にあたる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任については、国家賠償法四条により失火責任法が適用され、当該公務員に重大な過失のあることを必要とするものといわなければならない。」(最判昭和53年7月17日)

「本件事故はもっぱらAの過失に起因するものであって、乙車を運転していた前記B巡査になんらの過失もないとし、乙車の保有者である被上告人の自賠法三条に基づく責任を認めなかった原判決は、同条の解釈適用を誤り、ひいて審理不尽、理由不備の違法を犯したものというべきであり、この違法は、原判決の結論に影響することが明らかであるから、論旨はこの点において理由があり、原判決は破棄を免れない。」(最判昭和46年11月19日)

なお、学説上では、民法の付属法規は、国家賠償法第5条(民法以外の他の法律に別段の定があるときはそれを適用する)によって適用されるという見解があり、また、判例の失火責任法の適用の仕方については批判的な意見が少なくない。

 

 

 

 

 

 

 取消訴訟の原告は、処分行政庁に訴状を提出することにより、処分行政庁を経由しても訴訟を提起することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならないため(行政事件訴訟法第7条、民事訴訟法第133条1項)、処分行政庁を経由して訴訟を提起することはできない。
なお、審査請求は、処分庁を経由してすることもできる点と混同しないように注意されたい(行政不服審査法第21条)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に提起することはできない。

原則的には管轄裁判所は被告側の所在地であるというのは、民事訴訟法と同様であり、取消訴訟では、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属している(行政事件訴訟法第12条1項)。

 

 

 

 

 

 

 

事情判決は、処分取消しの請求を棄却する判決であるが、その判決理由において、処分が違法であることが宣言されるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事情判決に関する規定は、民衆訴訟に明文では準用されていないが、その一種である選挙の無効訴訟において、これと同様の判決がなされた例があるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

民衆訴訟には事情判決は準用されている。
第43条1項は「民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、第9条及び第10条第1項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する」と規定し、事情判決に関する第31条を準用している。

 

 

 

 

 

 

 

 

土地改良事業が完了し、社会通念上、原状回復が不可能となった場合、事業にかかる施行認可の取消訴訟は、訴えの利益を失って却下され、事情判決の余地はないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

判例最判平成4年1月24日)は、土地改良事業施行の認可処分が取り消された場合において、原状回復が「社会通念上、不可能であるとしても、右のような事情は、行政事件訴訟法31条の適用に関して考慮されるべき事柄であって、本件認可処分の取消しを求める

 

 

 

 

Xの法律上の利益を消滅させるものではない」旨を判示している。

 

 

 

 

 審査請求の前置が処分取消訴訟の要件とされている場合には、その出訴期間も審査請求の裁決の時点を基準として判断されることとなるが、それ以外の場合に審査請求をしても、処分取消訴訟の出訴期間は処分の時点を基準として判断されることとなるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→✖️

 

 審査請求前置主義を採っている場合、自由選択主義により審査請求した場合でも、審査請求の裁決がされていれば、処分取消訴訟の出訴期間は、裁決を基準として出訴期間を算定する(行政事件訴訟法第14条3項)。
なお、行政不服審査法の不服申立ては、簡易迅速を目的に掲げているが(行政不服審査法第1条)、実際には、裁決されるまでに長期間かかることも少なくなく、裁決を基準として出訴期間を算定しなければ、不当に出訴機会を奪うことになりかねないため、このように規定されている。