僕は勉強ができない
ぼくは確かに成績が悪いよ。
でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。
17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。
勉強はできないが、女性にはよくもてる。
ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。
母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。
しかしね。
ぼくは思うのだ。
どんなに成績が良くて、立派なことを言えるような人物でも、その人が変な顔で女にもてなかったら随分と虚しいような気がする。
女にもてないという事実の前には、どんなごたいそうな台詞も色あせるように思うのだ。
変な顔をしたりっぱな人物に、でも、きみは女にもてないじゃないか、と呟くのは痛快なことに違いない
いけ好かない脇山との会話。
脇山、お前はすごい人間だ。認めるよ。その成績の良さは尋常ではない
でも、おまえ、女にもてないだろ
ある日学校の廊下でコンドームを落とし、それを学年主任に拾われてしまう。
どうして、こんなものを持って来たんだ!
カンカンに怒る学年主任
先生は、ぼくの何に対して注意しようとなさってるんですか。
コンドームを落としたことですか?
それに関しては、うっかりしてたと思います。
ぼくは、まだ若くて、彼女に子供が出来ても育てていける筈がない。
だから、こういうものを使うんだ。何故かって、真剣だからです。真剣だから、彼女の体を気づかうんです。